野獣な執事とワンコお嬢様
まぁ、実際そうだった。



でも、たまに甘やかされて究極に褒められる。



それが嬉しくて、あたしはヒョウにシッポを振ってしまうんだ…。



あたしをお金持ちのお嬢様じゃなく、ひとりの人間として接してくれたのは、ヒョウが初めてだったから…。



毎日ヒョウと遊ぶのが嬉しかったし、理不尽にイジメられたけど楽しかった。



「あの有栖川さんを躾てる…」

「すげー男だ、青柳…」



もういいよ…。



静かすぎた学生生活が終わったんだよ…。



あたしは今日からヒョウの言いなりだ…。



ん?



ヒョウって、あたしの執事じゃないの?



次の休み時間、物影に呼び出したヒョウ。



「青柳っ!!」

「…………」

「あなたはあたしの執事よね?」

「…………」

「あたしを犬扱いするの、やめてくれる?」

「では、お嬢様、学校でも執事として接します。本日のランチは中庭というところに行ってみましょうか」

「イヤだぁぁぁ~…」

「あ?どっちだよ。お前がヤダって言ったんだろ?」



そうだけどっ…。



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