野獣な執事とワンコお嬢様
やっぱり怖い…。



「結局、どっちがいいんだ?早く選べよ」

「今のままで…」

「違うよな?『ヒョウの犬になりたいです』だろ?」

「有栖川 琴音、今日からまたヒョウの犬になりまぁす!!」

「おぉ、従順なペットだ。カワイイな、琴音は」



頭撫でられたら…。



またシッポ振ってしまう~…。



その黒くない笑みが…やっぱり甘やかされてる気分にさせる…。



「でも、お金持ちだってことは黙っててね?」

「善悪はわかってっから」

「よかった…。ありがとう、ヒョウ」

「『ありがとうございます、ご主人様』って、言えるよな?」

「あ、ありがとうございます…ご、主人…様…」

「よしよし、お利口だ」



やっぱりパワーアップしてるよぉ~…。



幼少期に受けた刷り込みって恐ろしい…。



あたしは絶対ヒョウに逆らえないように、体にたたき込まれてるんだ…。



「オイ、琴音。音楽の授業って、なんだ?」

「合唱したり、楽器の演奏したり」

「へぇ~」

「あと、普通に音楽の勉強するよ」

「音楽は初めてだ」



ヒョウにも知らないことがあったなんて。



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