野獣な執事とワンコお嬢様
ベッドに近づいてきたタマキさんは、体温計を見て顔をしかめた。



「ここずっと体調悪かったのか?」

「そのようです」

「そうか、医者は?」

「今呼びました」

「琴音、熱いだろ。冷たいタオル持ってきてやるからな」



虚ろな目で頷いた琴音は、起きあがる気力もないらしい。



しばらくしてタマキさんが氷枕とタオルを持ってきてくれた。



「季節の変わり目だからな」

「相変わらずですね」

「今年も文化祭、出れねぇんじゃねぇの?」

「去年もですか?」

「去年は寝込んでたんだよな?ただの風邪だといいけど」



タマキさんもなにげに琴音を気にしてくれてるのか…。



さすが、この家の統括。



しばらくしてやってきた医者が、琴音の部屋で診察。



「肺炎起こしてるかもしれない」

「肺炎!?」

「どうする?入院した方が安心だけど」

「えっ、しない方向では?」

「僕、忙しいから来れないよ?病院通ってくれるならいいけどさ」

「わかりました…」



マジかよ~…。



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