野獣な執事とワンコお嬢様
琴音のことを考え、入院することにした。



「ヤダよ…。ヒョウと一緒にいるよぉ…」

「お嬢様の体が第一ですから。お世話はさせていただきますよ」

「ヒョウも学校…」

「お気になさらずに。さぁ、病院に行きましょう」



琴音を抱っこして、タマキさんが運転する車に乗った。



保護者代わりはタマキさんだから、手続きやらなにやら、いろいろあるらしい。



「辛そうだな」

「眠ってしまいました」

「まぁ、早くよくなることを祈るしかねぇな」

「そうですね」



本当に辛いのか、グッタリ…。



こんな琴音は初めてで落ち着かない…。



大きな病院に着き、琴音はまず検査から。



タマキさんが付き添い、俺は病室に荷物を運んだ。



さすが有栖川財閥の令嬢…。



一般病室とは少し違う。



家具やらベッドやら、やたらゴージャス。



まるでホテルだ。



だけどしばらく待つと、やってきたのは客ではなく病人で。



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