野獣な執事とワンコお嬢様
主治医も一緒にやってきた。



「歩くのツラい…」



虚ろな目をしてる琴音は、すぐにベッドの上。



今にも寝そうだ。



「肺炎ですか?」

「うん。有栖川のお嬢さんに何かあったら困るし」

「それで入院を…?」

「当たり前じゃないか。病院潰されたくないからね」

「では、軽度なんですね?」

「そうだね。まぁ、脱水症状があるから点滴するけど。なんかあったら呼んで」



具合悪いとなにも口にしなくなる琴音。



水分くらい取っとけよ!!



医者がいなくなった病室で、琴音に布団をかけた。



「これから具合が悪い時は意地でも何か飲ませますからね」

「怒ってる…?」

「怒りますよ。お嬢様の世話係失格じゃないですか…」



また龍馬様に見られたくないとこを見せてしまう…。



誘拐といい、入院といい…。



俺が任されてる仕事を、期待を裏切るようなもんで。



「父からなんて言われるか…」

「えっ!?」

「今はとにかく寝てください」



仕事道具を持ってこよう…。



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