野獣な執事とワンコお嬢様
琴音が眠ってから屋敷に戻り、ノートパソコンを鞄に詰めた。



そして、ため息をついてから電話。



数回のコールで電話に出た相手は、俺の父である有栖川家執事、総統括。



「何かあったのか!?」

「お嬢様が体調を崩され、大事をとって入院しました。軽度の肺炎だそうです」

「入院手続きは終わったのか?」

「えぇ、タマキさんが」

「お前はなにをしていたんだ?またお嬢様にムリをさせたりしてないだろうな」



ネチネチ小言を言われ、電話を切ったら疲れた…。



琴音が入院なんてするから!!



はぁ~…。



「兄ちゃん、琴音入院したんだって?」

「アゲハ…。龍蔵様はどちらへ?」

「今朝食食べてる。後で琴音の様子見に行くって言ってた。あの人、全然覇気がないよ…」

「困ったな、あの兄妹は…」

「俺もそのうち顔出すね」



家のことはアゲハに任せ、病院に向かった。



寒くなってきたからな…。



もっと体調管理に気をつければよかった…。



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