野獣な執事とワンコお嬢様
【ヒョウ】



俺が構わなくても、寂しいとも言わずに見守っていた琴音。



原因はこの前の仕事のことだ。



「誰に許可を得て仕事なんかするんです?」

「ヒョウも仕事に口出すなって言ったじゃん。あたしも口出されたくないもん」

「ソレとコレとは話が別です。有栖川家の令嬢ともあろうお方が許されるわけがないでしょう」

「ふんっ、知らない」



拗ねてるのか、グレたのか。



琴音が勝手にバイトを探して、勝手に決めて来やがった。



「別にいいじゃん。好きなことだもん…」

「まずお聞きしますが、どうやって見つけたんです?」

「雑誌に載ってた。モデル募集って。オーディション受けて受かったんだもん。ちゃんとお給料もらえるし」



ふざけやがって。



雑誌のモデル?



電車も乗ったことがない琴音がひとりで仕事なんかできるわけねぇだろうが!!



「2号くん、そんなに心配しないでよ。あたしヒマだから、慣れるまで着いてってあげるから」

「結局他力本願じゃないですか」

「だけど受かったんだよ?琴音、オシャレ好きだもんね?」



知ってる!!



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