野獣な執事とワンコお嬢様
雪乃さんに言われなくても、琴音がオシャレ好きなのはよくわかってんだよ。



信用できるモデル事務所ってのもわかってる。



「顔の露出は誘拐されやすくなります」

「誘拐なんてされたことないもんね!!」



それは俺たちが未然に対処してるからだ!!



何にもわかってねぇ、このバカ犬。



「この半年で、お嬢様のストーカーは5人程アゲハが捕まえてます」

「えっ…?」

「脅迫状は月に1回のペースで届くし、差出人不明の奇妙な贈り物なんか日常茶飯事ですが」

「そんなの…知らないもん!!あたしはやりたいことやったらダメなの!?」

「そうですね。身分をわきまえてください」

「ヒョウのバカ…。やっとやりたいお仕事だと思ったのに!!大嫌いっ!!」

「お嬢様っ…」



だ、大嫌い?



それは俺に言ったのか?



俺…嫌われ…た?



「2号くん」

「嫌われ…」

「琴音も大人になってるの。まぁ、あたしが進めたんだけどね。社会勉強も必要じゃない?」



嫌われた…。



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