野獣な執事とワンコお嬢様
目の届く範囲にいてくれないと、今の俺には琴音を守れない。



「お嬢様の執事として、責任があるんです。今は同行できる状態ではありませんし…」

「気をつけるもん…。なにかあったらちゃんと報告するよ?」

「しかし…」

「お願い!!どうしてもやりたいの…」



こんな琴音は初めてで。



今までは流れに身を任せて生きていたのに。



やっと自立し始めたんだろう。



「龍馬様と相談してみます…」

「ありがとう、ヒョウ!!」



満面の笑みでギュッと抱きつかれ。



俺の琴音なのに…。



モデルなんてして、変なヤツが寄ってきたらどうすんだよ…。



その夜、琴音の父に電話をした。



「琴音からやりたいと…?」

「えぇ、頑固です」

「高校を選んだ時もそうだったんだ。普通の学校じゃなきゃ、高校に行かないなんて言い出してね」

「そうだったんですか…」

「好きにさせたらいい。あの子もあの子で、自分を探してるんだろうからね」



マジかよ…。



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