野獣な執事とワンコお嬢様
モグモグご飯を食べた後は、ヒョウと一緒に傘を差して学校に向かう。



「雨だと手ぇ繋げねぇな…」

「そうだねぇ~」

「次の仕事、少し場所遠いんだろ?」

「うん。お外だから朝からだし。前の日に泊まるからね」

「その辺、ちゃんとわかるようにしとけよ?まぁ、アゲハが同行だから大丈夫だろうけど」



ヒョウと離れてお仕事かぁ~…。



寂しいけど、頑張らなきゃ。



「なんかね、お家の名前のせいでお仕事がいっぱい来るんだって」

「そりゃそうだろ。有栖川家にあやかりたいヤツなんて腐るほどいる」

「自分の力じゃないのがちょっと悔しい…」

「お前はお前なりに頑張ってるから。気にしねぇで頑張れ」



ヒョウにそう言われたら嬉しくて。



あたしがお嬢様なことは揺るぎない事実なわけだから。



現実を受け入れて、認めてもらえるように努力するしかないんだ。



「今日お部屋に行っていい?」

「今日は夜に龍蔵さんと出かけるからムリだ」

「我慢しまぁす…」



またお仕事かぁ…。



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