野獣な執事とワンコお嬢様
人当たりはいいし、口もうまい。



根性もあるからな…。



「お前さ、面接受けるか?」

「何の?」

「営業」

「会社は?」

「うち」

「ムリムリ!!高卒で有栖川とか、ありえねぇ!!」



いやいや、有栖川って言っても、俺と龍蔵さんのとこ。



有栖川の下の下だから。



「今やってる新事業、失敗すればお前無職だし。バックが有栖川って言っても、今は名前すらないから」

「悪い、意味がイマイチ…」

「有栖川のいくつかある事業のひとつ。俺と次期社長で、つぶれた工場建て直し中」

「楽しそうだな」

「ちなみに給料安いからな。使っていい金が開発費に消えたら、現社長に借金だし」



龍馬様の力は借りずに頑張ってるけど。



『有栖川 新事業』という肩書きを使わないことが俺と龍蔵さんのプライドなわけで。



「完成したら営業行ってもらわなきゃダメだしな」

「俺にはそんな大それたこと…」

「まぁ、面接で落ちるかもしれないから」

「ムカつくからやってやるよ!!」



よし、頑張れ。



< 453 / 500 >

この作品をシェア

pagetop