野獣な執事とワンコお嬢様
ドキドキしながらノックした。



返事が聞こえず、静かに開いたドア。



「どうかされましたか?」

「ヒョウが…怒ってるから…」

「怒ってませんよ。それと、青柳です、お嬢様」

「話したいから入れてくれる?」



やっぱり怒ってる…。



目が…怖いもん…。



「お引き取りください」

「どうして!?」

「男の部屋ですよ、お嬢様」

「でもっ…青柳の部屋だもん…」

「…………お嬢様の部屋で話しましょう」



渋々、自分の部屋にやってきた。



あたし、怒らせるようなこと言ったのかな…。



考えてもわからなくて、言葉に詰まってしまった。



その時、急にカラダが浮いて、行き先はベッドの上。



あっと言う間に馬乗り状態のヒョウに、頭が着いていかない。



「申し訳ございません、お嬢様」

「なにっ…」

「あまりにもカワイらしかったのでつい、押し倒してしまいました」

「えっ…?」

「わたくしの部屋に参る時は、それなりのお覚悟でいらしてくださいますか?」



掴まれた腕が…痺れる…。



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