野獣な執事とワンコお嬢様
だけど、頭を撫でられたら、なんだかソワソワしてしまう。



ゴロゴロしたい…。



ヒョウ…もっと撫でて…。



「好きですねぇ~」

「なにが?」

「お嬢様が」

「なにを?」

「わたくしを」

「うん、好き」

「これはまたストレートな…。愛の告白ですか?」



へっ…?



あたし今…なんて言った?



ヒョウが好き?



あたしって…ヒョウが好きなの!?



「ち、違うっ!!今のは…執事としてって意味で!!」

「わかっていますよ。お嬢様の…お気持ちは…」

「言い方がやらしい!!」

「ははっ、元気になりましたね」

「えっ?」

「泣かれると困るんで」

「なんで?」

「そんなの、お嬢様の泣き顔にムラムラするからに決まってるじゃないですか」



マジで言ってません…?



ヒョウってまさか変態…?



「だからイジメるの!?」

「えぇ」

「サディストっ!!」

「今更気づいたんですか?お嬢様は真正のバカですね」

「なっ!?」

「泣きたければ泣いてください。でも、忠告はしたので何されても文句は言えませんね~」



今まで気づかなかったなんて、あたしはきっと、本当のバカだ。



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