野獣な執事とワンコお嬢様
見た目が天使のようだった琴音は、変な大人から好かれていて。



ストーカーは後をたたなかった。



そういうのが鬱陶しくて、ストーカーの家を爆破しようと思ったのが５歳の頃。



途中まで作った爆弾は、発見した父によって廃棄処分された。



『お嬢様には知られないようにな』

『なんでだよ、父ちゃん』

『気の弱い方だから、怯えて部屋から出てこなくなりそうなんだ』

『じゃあ強くなればいい』

『人の性格を変えるのは難しいんだぞ』



それからの１年は、琴音を強くすることだけを考えた。



主に、苦手なモノの克服。



精神面は、多少強くなったと思う。



それからすぐ、父の海外赴任が決まり、琴音と離れることに。



『ヒョウがいなきゃヤダぁぁぁ!!行かないでっ!!戻っておいでよぉ!!』



見たこともないくらい暴れて泣いた琴音。



さすがに俺でもどうしたらいいかわからなくて。



約束をした。



『もっと強い男になって、琴音のとこに戻ってくるから』

『いやぁぁぁ～…』

『琴音、俺が戻ったら…』



って、昔の夢を見て飛び起きた。



< 52 / 500 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop