野獣な執事とワンコお嬢様
まぁ、琴音が何したって、俺に止める権利はないんだけど。



そうはさせないのが俺。



その日、家に帰ると、琴音がまた変なことを言い出した。



「ねぇ、青柳。デートしたい」

「はい…?」

「デート」



どんなデートを想像してるのかなんて見当もつかない。



唐突だな…。



「お嬢様、数学はもうよろしいのですか?」

「うん」



この顔はマジだな…。



琴音のくせに、なにがデートだ。



「デートしようよ」

「執事としてでしょうか?」

「もういい。青柳には頼まない」



は…?



なぜ怒る…?



「お嬢様…?」

「ご飯になったら呼んで」

「かしこまりました」



意味がわからない。



なんで怒ったんだ?



「ハァ…」

「めっずらし~、青柳がため息。なんかあったか?」

「いえ、少し疲れただけですので」

「てっきり、毎日好きな女といても手ぇ出せねぇからかと思った」

「タマキさん」

「ん?」

「タバコは外でお願いしますね」

「お前、その笑顔怖いって…」



なんだかイライラする。



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