野獣な執事とワンコお嬢様
連れてこられた自分の部屋で、バスルームに放り込まれた。



「な、なにすんの!?」

「雑に扱ってしまい、申し訳ありません」

「笑顔怖っ!!」

「あまりにも臭かったので」

「えっ!?あたし、臭い…?」

「これは失礼。腸が煮えくり返る匂いがしたので、さっさと洗い流していただけますか?」



パタンッと閉まったドア。



わけがわからず、服を脱いだ。



その時、自分の服についた先輩の香水の匂いに気がつき、ヒョウが言った意味をやっと理解した。



抱きしめられてついたんだ…。



でも、ヒョウが怒る意味がわからない。



デートに行ったのだって知ってるのに…。



すべてを洗い、部屋に戻るとソファーに座ってるヒョウ。



えっ…?



寝てる…?



俯き、目を閉じて…。



相当疲れてるんだ…。



「ヒョウ?」

「んっ…いい匂い…」



そう言って引っ張られたあたしの腕。



倒れ込むようにヒョウに抱きしめられた。



急なことに、心臓がバクバク。



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