野獣な執事とワンコお嬢様
メールでタマキさんには言っとこう…。



『青柳です。熱が出たので、このまま寝ます。昨晩、お嬢様から今日は休めと言われたので、お嬢様のこと、よろしくお願いします』



しばらくすると、メールが返ってきた。



珍しく起きてたのかよ…。



『ムリ』



えっ…、マジで?



ってか、マジで短いな…。



まぶたが重いのに、がんばって長文を打った自分がバカみたいじゃねぇか…。



『なぜです?』

『リューゾーとでかける』

『わかりました。なんとかしてみます』



着替えよう。



琴音がメシを食わないかもしれない…。



宿題で、わからないとこがあるかも…。



やっぱり休んでられない。



立ち上がり、服を脱いだ。



ノックもなしに、ガチャッと開いたドアに過剰反応。



「バカか、寝とけ」

「いえ、大丈夫ですよ」

「ソレ、過保護っつーの。琴音の気持ち、無駄にする気か?」



そう言われてしまうと、なにも言えない。



卑怯だな、タマキさん…。



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