初恋はドSの先輩㊤
ん?なんだこいつ、聞こえてんのか?
返事がない。
「おい」
・・・聞こえてないな。
恐怖が大きすぎて聞こえないってか。
―トン
俺が女の肩に手を置いたとき女は過剰に震えた。
手から伝わる女の震え。
コイツ・・・、恐怖で動けないのか?
「走れるか」
俺は女の耳元で小さく囁いた。
女は驚いてこっちを見る。
目にたまった涙。
よっぽど怖いんだな。
「!?」
女の顔が夕日にあたってはっきり見えた。
整ったパーツ、気の強そうな目にたまる涙。背中までの長い髪・・・。
今まであったことのない女の種類だった。