キープアウト!
「あたし可愛いかな?」

ふと口に出していた。

「可愛いよ」

亮二が返してくれて、ふいに泣きそうになった。


会社の駐車場まで相合い傘をして歩いた。

亮二は置き傘をしていたみたい。

初めての相合い傘なのに、どこか喜べない。

車の中でも亮二が話していたけど、集中できない。

「樹里、聞いてるか?」

「えっ?」

「どうした?なんか変だぞ」

「体調悪くて」

「最近また冷えたしな。コンビニで生姜湯でも買って帰ろう」
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