家元の寵愛≪壱≫


「どれどれ~?」


俺は今一度、彼女の襟元に指を掛けた。


「ヤッ////ななな、何をしてるんですか!////」

「何って、成熟の程を確かめないとな?」

「ッ!!////////」


俺が妖しげに微笑むと

ゆのは“しまった”と言わんばかりに両手で顔を覆った。


そんなゆのを更に煽るように耳元で


「せっかく用意して貰ったんだから、しっかりとその『枇杷』とやらを確かめないと」

「ッ////」

「さぞかし旨いだろうなぁ?季節外れの枇杷は…」

「////////」


ゆのは硬直し、大きな瞳をパチパチと。

けれど、俺は更にゆのを追いつめる。

だって、ここ数日、

真面に寝る事さえ出来なかったのだから。


そっと彼女の腰を抱き寄せ、

容赦なくトドメを刺しに……。


「そ・れ・も、甘~~~く熟してると来た!!………フフフッ」

「んッもぉ~~////」


無意識に頬が緩みだす。


ゆのは羞恥を露わにし、

俺の胸を可愛らしく小突いて来た。


そんな彼女の行動1つ1つが

俺の欲情を掻き立てるとも知らずに。


< 297 / 450 >

この作品をシェア

pagetop