家元の寵愛≪壱≫
「えっ?!………隼斗さん、それ何ですか?」
扉の前にいた彼は超特大のビンを2本手にしていた。
私が唖然としながら歩み寄ると、
「ダブルマグナムサイズ(3L)のシャンパン」
「え?」
「皆を驚かせる為の……と言えば分かるか?」
「……あっ、はい!!」
彼によると、1つはノンアルコールで未成年用のシャンパン。
で、もう1つはそれ以外の方へのシャンパンだとか。
ここでも彼はきちんと心遣いをしていた。
「隼斗さん」
「ん?」
「本当に有難うございます」
「何が?」
「全部です」
「フッ。だから、お礼を言うのはまだ早いって」
「えっ?」
目を大きく見開いたと同時に目の前の扉がゆっくりと開いた。
先程と同じように会場内は薄暗く、
スポットライトが私達を照らしていた。
そして、皆の拍手を浴びながら
彼の腕に腕を絡め、ゆっくりと会場内へと足を踏み入れる。
そして…………。