家元の寵愛≪壱≫
「ゆの、隼斗さん。ご結婚おめでとうございます。隼斗さん、ゆのは宇宙一大事な親友です。一生、彼女の傍にいてあげて下さい。では、お2人の門出をお祝いし………」
そう言った玲は目を瞑り、呼吸を整え、
「えいっ!!」
掛け声と同時に酒樽の板が見事に……。
玲は空手の黒帯。
ジュニアの全国大会で2位の成績。
初めて見る彼女の空手姿が鏡開きだなんて……。
思わず、感動して笑みが零れた。
あっ、だからパンツスーツ?
彼女は気合を入れる為に大股になり、
スカート姿では出来ないような格好をしていた。
この為にオシャレまで我慢して……。
そう思うと涙が溢れ出した。
―――――玲、本当にありがとう。
「ゆの、せっかくのお化粧が台無しになっちゃうよ?」
「……うん」
玲が満面の笑顔で近寄って来た。
「玲、ありがとうっ」
「ホントに綺麗だよ、ゆの」
どちらからともなく手を取り合い、
そして、抱き合った。