家元の寵愛≪壱≫


玲の手によって開かれた酒樽からお酒が客席に振る舞われ、

そんな事に微笑ましく笑みを浮かべていると、

ステージ上でお弟子さんによるマジックショーが始まった。


幾つかのマジックが披露されている中、

何故か、会場の中央部分に突如運ばれて来たモノが。


「おっ?……何だアレ??」

「え?………隼斗さんも知らないんですか?」

「ん」


隣りで首を傾げる彼。

不思議に思い、視線を静乃さんに向けると

またもや意味ありげな表情を……。


マジックショーが終わると同時に再び訪れる薄明かり。

会場からは期待のざわめきが起こり始める。



そして、そんな会場の空気を察知した静乃さんは、


「それでは只今より、新婦の熱い口づけ争奪『丸太早切り対決』を開催致します」

「はぁッ?!」

「えぇっ?!」


何何何??

丸太早切りは理解出来たけど、

『新婦の熱い口づけ』って何?!

新婦って………私じゃない?!


静乃さんの言葉に驚き、思わず隣りの彼に視線を向けると


「マジかよ」


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