家元の寵愛≪壱≫
「お前には無理だろ」
「はぁ?圭介さんには負けませんよ!」
「肉体派の俺をナメんなよ?」
「新郎に華を持たせるって事を知らないんですか?」
「知らねぇな。ってか、皇は何で来てんだよ」
「玲に言われて、ゆのちゃんの唇を阻止しに…」
「おっ、俺の味方か?」
「あっ、はい。一応……」
「フッ、頼りねぇ奴」
「なっ?!俺が1番若いですから!!」
「「だから?」」
「ぜってぇ負けねぇ!!」
体育会系の皇くんにも火が点いてしまったらしい。
もう、どうなってんの?……これ。
会場はイベント会場と化して、異様な熱気に包まれ
静乃さんの合図を今か今かと皆待っている状態。
私は瞬きも忘れ、隼斗さんをじーっと見つめていた。
「それでは、準備は宜しいですか~?」
「「「「「おぉーッ!!」」」」
雄叫びのように返答する男性陣。
私は固唾をのんで祈っていた。
―――――隼斗さん、頑張って!!
「では、参ります!!位置について………ヨーイ、ピーッ!!」
静乃さんの笛の合図と共に一斉に鋸を震わせる5人。
誰もが皆、5人に視線を送り
そして、大喝采の如く声を張り上げる。
そして……――……。