家元の寵愛≪壱≫


静乃さんの合図ですぐ前まで来た皇くん。

そんな彼は、私の前に跪いた。

そして、


「ん?」


何やら私に訴えている。

彼の視線の先を辿って――――――。


あっ!! なるほどねぇ……。

さすが、皇くん!!

ってか、玲のアイディアだろうな。

勝者と言っても、皇くんは玲の彼氏。

幾ら、友人とは言え、『キス』はねぇ……。


「それでは、ゆのさん。宜しいですか?」

「はい」


視殺するかのような形相の隼斗さんの目の前で

私はニコッと笑みを浮かべ、

そっと、皇くんの肩に手を掛け………。


―――――――ツンと固められた髪にキスを落とした。


すると、会場からはブーイングが湧き起こる。

私はどうしたものかと苦笑すると、


「んッ?!///////」


突然、隼斗さんに唇を奪われた。

そんな私達をヒューヒューっと会場が冷かして……。


羞恥のあまり平常心じゃいられないけど、

きっとこれも彼なりの気遣いの1つだと……。



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