家元の寵愛≪壱≫
徒ならぬ視線が私に集中し始めた。
「ゆのさんは宜しいのですか?新郎が悲しい表情をされてますよ?」
「ッ?!」
静乃さんに言われ、隣りの隼斗さんに視線を向けると
何とも言えない表情をしている。
「私、料理音痴ですよ?」
「問題ない」
「本当に口に出来るようなモノじゃなくても大丈夫ですか?」
「平気だって。ゆのが作ったモノなら泥ジュースだろうと飲み干してやるから」
「ッ?!//////」
「おぉ~っと、コレは愛の口説き文句ですねぇ。『愛』あればこそです!」
「………じゃあ……」
静乃さんの声に後押しされ、
会場の雰囲気に呑まれた私は重い腰を上げてステージへ。
「ゆのーッ!!頑張って~!!」
玲が必死に応援してくれている。
「ゆのちゃん、悪いけど手を抜かないわよ?」
「えぇー?!お義母様ぁー!!」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべるお義母様。
止めどなく溜息が零れ出した。