家元の寵愛≪壱≫
「オェッ……っ……」
たった一口飲んだだけなのに、隼斗さんは物凄い表情を。
「何だよ、コレ!!イカ墨じゃん!!」
「えっ?!」
口元を真っ黒にした彼。
それを見ている会場からはドッと笑い声が湧き起こる。
次に口にしたのは沙耶ちゃんのジュース。
隼斗さんは物凄い勢いで水を飲み干した。
「あぁ~、コレはハバネロですねぇ~」
「マジで殺す気かよッ!!」
隼斗さんが怒るのも無理はない。
ハバネロジュースだなんて、中身が何であれ飲める訳がない。
そして、佳枝ちゃんのジュースは水あめだったらしい。
甘いのが苦手な彼にとっては激甘なジュースも無理なようだ。
そして、美奈子さんと私のジュースが彼の目の前に。
固唾をのんで見守ると、彼は美奈子さんのジュースを口にした。
「うっ………ッ……」
眉間にしわを寄せ、何やら口を動かしている。
「何コレ?…………水溶き片栗粉?」
「おぉ~!!よくお解りになりましたねぇ~」
「んな暢気な事ッ!!マジで飲み物じゃねぇぞ?コレ!」
隼斗さんは普段見せないくらい憤慨した。
そして――――――。