家元の寵愛≪壱≫
「それでは、新郎に愛のお姫様抱っこをして頂きましょう♪」
「ゆの」
「ッ//////」
「おっ、さすがですねぇ♪抱き慣れてる感じがしませんか~?」
静乃さんの一言で会場内が冷やかしの声に。
お義母様が仕立ててくれた着物ドレス。
西陣織の反物をあしらって華やかなドレープが効いている。
そして、彼のベストも同じ反物で出来ており、
私達はペア衣装で注目を浴びていた。
隼斗さんが中々下ろしてくれないから、
周りからシャッター音が鳴り響いて途切れない。
しかも、それに応えるように……。
――――――チュッ
ッ!!/////////
またしても、突然唇を奪われる始末。
本当に恥かし過ぎて眩暈がしそう。
皆からの視線を避けるように彼の肩口に顔を埋めると、
「ゆののは、きな粉味だった」
「へ?」
「アレは多分、黒ゴマきな粉」
「嘘ッ!!」
「いや、マジで。恐らく、静乃さんの粋な計らいだと思う」
………小さな声でそう呟いた彼。
静乃さんに視線を向けると、優しく微笑んでいた。
――――――静乃さん、ありがとうございます。