家元の寵愛≪壱≫


再び席に着いた私。


「少しの間ですが、お料理を召し上がって下さい」

「えっ、いいんですか?」

「はい。こちらのお料理も家元が選び抜いてご準備したお品ですので」

「えっ……」


目の前には豪華な和洋折衷が用意されていた。

年齢層もバラバラの招待客への彼なりの心遣い。

本当に何から何まで完璧過ぎるよ、隼斗さん。



彼は友人達と愉しげに話をしている。

そんな彼を眺め、胸の奥が温かくなる。

本当に素敵な旦那様だわ。



玲と皇くんはバリスタである店長の所に。

デザインカプチーノを眺め、喜んでいる。


お父さんとさゆりさんはお義父様、お義母様、

お爺様(大御所)とお婆様(大御所夫人)と共に

にこやかに食事を愉しんでいる様子。


私はそんな会場を眺めながら、絶品のお料理を戴いていた。



その間にも、お弟子さん達や隼斗さんのご友人による余興が続き、

私は楽しいひと時を過ごしていた。


そして―――――。


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