家元の寵愛≪壱≫


余興タイムは、隼斗さんの生歌で幕を閉じた。


客席から冷やかしの声が聞こえるが、

今はそんな事はどうでいい。


目の前のこの人が私をじっと見つめてるから、

それ以外の事が考えられない。



――――――ありがとう、隼斗さん。

私、一生あなたについて行きます。

あなたの言う、ありのままで―――――――



嬉し涙で視界が滲む。


薄らと見える彼は優しい笑みを浮かべ

私の手をギュッと掴んでいた。



「家元、次はステージへ」

「あぁ、分かった。ゆの、行くぞ」

「……はい」


お弟子さんに促され、彼と共にステージに上がると

ステージ上には隼斗さんのご両親とお父さんの姿が。



『皆様、楽しいひとときを本当にありがとうございました。 ここで、新郎新婦より、ご両親への感謝の想いを伝えたいと思います。まずは、新郎隼斗様。新婦のお父様へ心のこもった最高の一服を……』


静乃さんの合図で彼は小さく頷いた。


そして………。


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