家元の寵愛≪壱≫
そして、記念品として両家の親にはそれぞれに
お互いに選んだパジャマをプレゼントした。
お義父様が謝辞を述べ、
そして、新郎である隼斗さんも謝辞を述べた。
そして、皆が温かい拍手で見送る中、
隼斗さんと私は会場を後にした。
披露宴会場を出た私達は、
ゲストハウスのロビーで皆が帰路に着くのを見送る事に。
お弟子さんに手渡されたトラジェは、
ちょっとしたお菓子とメッセージカード付の缶珈琲。
ラッピングのフィルム越しにそれを眺めると、
「えっ?………何ですか?!………コレ!!」
私は自分の目を疑った。
だって、どこにでもある市販の缶珈琲かと思ったら、
『ラブ♥マウンテン』最高級愛使用と謳われている。
もしかして、これもこの日の為にワザワザ?!
思わず、彼の顔を見上げると
「バレた?」
なんて悪戯っぽく笑うから、思わず吹き出してしまった。
もう、本当に何から何まで1人で……。
そう思うと、胸が熱くなる。
彼への想いが溢れ出して来る。
私は彼にどうやってこのご恩を返せばいいの?