家元の寵愛≪壱≫
会場から次々とお帰りになる人々。
私は心の底から感謝の気持ちを込めてお礼を述べる。
「今日は遠い所、本当にありがとうございました」
………満面の笑みを浮かべて。
「………玲」
「ゆの、本当に綺麗だったよ。おめでとう」
「玲こそ、ありがとう。あっ、皇くんも。本当にありがとうね」
玲と抱擁し、皇くんとお別れの握手をした。
「ゆの、またメールするね?」
「うん!!」
「皇くん、玲を宜しくね?」
「ハイ!任せて下さい!!」
玲と皇くんに手を振ってお見送り。
隼斗さんは友達に絡まれてちょっと大変そう。
でも、彼のそんな姿を初めて見て胸の奥がキュンとした。
まだまだ私の知らない彼が居る。
招待客をほぼ全員お見送りした後、
私達の元へお父さん達が姿を現した。
「今日は本当にありがとうございました」
私は膝に頭が付くくらい腰を曲げた。
何ひとつ親孝行が出来ぬままこの日を迎え、
心の奥で申し訳なさが募っていた。
けれど、