家元の寵愛≪壱≫


着替えを終えた私達は隼斗さんの車で帰路に着く。


正木さんからのサプライズプレゼントの飴細工。

華道家・桐島蘭清さんからの祝いの花々。

隼斗さんとお義母様に誂えて頂いたウェディングドレス。


その他にも持ち帰るものが多々あるけれど、

さすがに隼斗さんの車には乗せれないという事で、

後日、自宅へ配送して貰う事にした。




午後9時を過ぎた頃、

私達は芽吹いたばかりの桜並木を

ゆっくりと自宅へと向かっていた。



「ゆの」

「はい」

「疲れたか?」

「いえ、大丈夫です。隼斗さんは?」

「ん~、ちょっと疲れたかも」

「えっ?」


そりゃあ、そうだよね。

あれだけの準備を1人でしてたんだもんね。

『家元』としての仕事もこなしての準備は

相当、大変だったと思うから……。


「運転、替わりましょうか?」

「……いや、それは大丈夫」

「では、私に何か出来る事はありますか?」



信号待ちになり、彼の長い腕が伸びて来て、

私の肩に腕を回した彼は顔を近づけ………。


「ッ?!//////」


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