Dearest
夏の夜は生暖かく、独特な匂いがする。


夏休みだけあり、街にはちらほら人が歩いていた。




「アキ、アキ!花火の音が聞こえるよ」



レオンはアキのワンピースを引っ張る。


アキが耳を澄ますと、遠くから花火の音が響いてきた。




「本当だ!花火の音するね。今日どこかでお祭りでもやってるのかな?」

「俺も花火やりたーい♪花火買おうよ。俺、ねずみ花火がいい」

「ねずみ花火はうっせぇから嫌だ。やっぱロケット花火だろ」

「ロケット花火こそうるさいよ」

「僕は線香花火がいいな」



既に花火を買って貰える前提で話を進めている子ども達。


アキは仕方ないな…と想いながら微笑んでいた。





コンビニに着くとアキはカゴを持つ。



「ほら、好きなの持っておいで」



子ども達は頷くと、アイスコーナーへと走っていった。
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