Dearest
「私が読んであげますよ｣



ふと声がした方を見ると、仕事から帰ってきたらしいラヴが立っていた。



「おかえり、ラヴ」

「はい、ただいまです。アキは英語が苦手ですからね、私が読みます。アキは子供たちと聞いてて下さい」



ラヴはそう言うと、アキから絵本を取った。


アキが座るとアキの周りに子供が集まる。

それを見たラヴは絵本を読み始めた。




「わぁ…綺麗な発音。こう聞いてるとイギリス人なんだなぁって思うな」



アキは絵本を読むラヴに見とれていた。


黒髪に日本語をペラペラ話すラヴを外国人でなく日本人のように思っていたアキだが、よく見るとラヴの瞳はグレーだった。



それに気付いたアキは、ラヴはイギリス人なんだと改めて確信した。



「はい、おしまいです。今日はもう遅いですからみなさん部屋に戻りましょうね」



ラヴがそう言うと、子供たちは元気よく返事をしてバタバタと自室に戻っていった。



居間に残ったアキとラヴは、絵本や玩具を片付ける。
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