Dearest
アキは普通に両親や姉弟がいて、愛されてて、友人も沢山いるし人を愛する事も知っている。


そんなアキにとって、愛し愛される事を追求しているラヴは酷く滑稽だった。




「…ラヴは今まで誰かを愛した事はないの?」

「ありません。あまり人と関わってきませんでしたし」

「そっかぁ…」



アキは少し目頭が熱くなっているのに気付いた。




「私は基本1人が好きだったんです。だから…構いません。ずっと1人で…」

「…ラヴは1人じゃないわ」

「…アキ?」



アキは俯いたまま呟く。




「今は1人じゃない。だってラヴにはあたしがいるもの。…だからそんな寂しい事言わないでよ」


「はい。すみません…。ありがとうございます」



ラヴは肩を震わすアキの頭をぽんぽんと撫でた。




「アキは優しいんですね。そんな事言ってくれたのは、アキが初めてですよ」



アキは、自分が口にした言葉が段々恥ずかしくなってきた。
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