Dearest
「レオン?笑いたくない時は笑わなくていいんだよ。無理してたら、レオンがレオンじゃなくなっちゃうよ」

「あ…りがと…アキ」



レオンはそう言ってアキにしがみついて泣いた。



明るくしてなければ孤独感に潰されそうだったレオン。



捨てられた子どもとして自分を受け入れていた反面、自分の生きている意味がわからなかった。


自分なんて生まれなきゃよかったんだとも思っていたレオンは、アキの優しさが嬉しくて泣いた。



アキはその間、ずっとレオンを抱きしめていた。




「レオンは優し過ぎるんだね。みんなに気を使わせちゃうから、いつも笑ってるんだよね。…でも、あたしの前では素直でいてね?あたしは全部受け止めるから」



母親がいたらこんな風に優しく抱きしめながら、こんな優しい言葉を掛けてくれるのかな?



アキが母親だったら
幸せだったんだろうな…




レオンはそんな事を思いながらアキに抱きついていた。




温かくて柔らかくて優しい匂いのアキが心地良くて、レオンは涙が止まらなかった。
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