Dearest

19・遠雷

遠くで響く雷の音。


遠くの空は雲の隙間に光りを走らせている。




「やばいなぁ、雨降ってきそう」



買い物に出掛けたアキは、帰り道の空を見上げて呟いた。


今にも雨が降りそうな薄暗い空を見上げながら、アキは家まで走って帰った。




「ただいま!アシュリーとレオン、1階の洗濯取り込んでくれる!?あたし布団取り込むから。ラヴとサミュエルは窓閉めて。雨が降るのも時間の問題よ」


「はいよっと」



家には平日なのに珍しく全員いた。


アキは4人にそう告げると、布団を取り込みに2階へと急いだ。




「わ―!雨降ってきたぁ!!アシュリー早く」

「ったく、面倒くせぇな」



レオンとアシュリーは洗濯を取り込む。




雷鳴と共に、薄暗い空から土砂降りの雨が降ってきた。




「はぁ、ギリギリセーフだった」



布団を取り込んだアキはリビングへと降りてきた。


リビングにはびしょ濡れになったアシュリーとレオン、洗濯を畳むラヴとサミュエルがいた。




「なんでそんなにびしょ濡れなのよ!」

「だってアシュリーがトロいんだもん」

「人のせいにすんな!お前がテレビ観ながらちんたら取り込むからだろうが!!」

「はいはい、喧嘩する前に着替えてらっしゃい」




言い争うアシュリーとレオンは、取っ組み合いながら着替えに向かった。
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