Dearest
僕はラヴの姿を見つけると、1番に駆け寄って独り占めするようになっていた。



そんなある日、施設長の娘が職員としてやってきた。



優しい雰囲気のその人はよく笑う人で、可愛かった。




「サミュエル、1人で何してるの」

「アキさん」



アキさんは僕が1人でいると必ずやってきて、一緒に遊んでくれた。



どことなくラヴに似てるなぁって思った。




見た目とか性格ではなく、波長というか…


とにかくラヴとアキさんは似ていた。




「アキさんは子どもが出来たら可愛がりますか?」



僕の質問にアキさんは目を丸くしていたけど、すぐ笑顔になって頷いた。




「もちろん。あたし子ども大好きだもの。サミュエルみたいな可愛い子を産みたいな」



僕もアキさんがお母さんだったら幸せだったんだろうなと思った。



そしてラヴがお父さんだったら、もっと幸せになれるとも思った。




僕の母親のように子どもを捨ててしまえる女性もいれば、アキさんのように子どもが好きな女性もいる。



前者から生まれた僕は運が悪かったのだろう。
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