Dearest
少し時が経った頃。

ラヴとアキさんが結婚した。



僕の想い描いた幸せを掴む子どもが出来る。



2人の間に出来る子どもは、きっと世界一幸せになるのだろうなと思った。




それと同時に、嫉妬心と孤独感が僕の中に芽生えた。




何故僕は2人の子どもとして生まれられなかったのだろう。


狡い…狡い…。




僕が欲しかった幸せを手にする、これから生まれてくるであろうラヴとアキさんの子どもは狡い。




そんな事を考えていた時、僕の前にアシュリーともう施設にいないはずのラヴが現れた。



「サミュエル、私とアキとアシュリーと家族になりましょう」



ラヴの言葉が信じられなかった。

夢だと思った。





「…それはラヴが僕のお父さんで、アキさんがお母さんになるって事?」

「はい。そうです」



僕が欲しかった幸せが手には入った瞬間だった。






僕は望まれなかった子どもじゃない。

運が悪かったのでもない。



神様は僕が幸せになる事を知っていたから、今まで辛い思いをさせてたんだよね。





だって今の僕には

世界一素敵な家族がいる。




一緒に遊べるアシュリーとレオンというお兄ちゃんも


抱っこをしてくれるラヴというカッコいいお父さんも


笑顔でおかえりって言ってくれるアキさんという優しいお母さんもいる。






僕…

生まれてきてよかった。















Sumyuell=Mikeehle side story,end.
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