Dearest
俺は1人、施設の中を歩いていた。



何か凄く悔しくて凄く悲しくて、凄く寂しかった。



明るく振る舞ってなくちゃこの気持ちに潰されそうな気がしていたから。




俺は何故生きてるんだろう…

何の為に?
誰の為に?



俺なんか生まれなきゃよかったんだね、きっと。





「…レオン?珍しいね、1人?」



俯いたまま歩いていたら、前からアキが声を掛けてきた。




「うん!ちょっとね」



俺は沈んでる気持ちがバレないように、いつもの笑顔を作った。




俺の特技は作り笑顔。


これのおかげで何があっても乗り越えてきた。



…たまに辛いんだけどね。





「……バカっ」



アキはそう言うと、強く俺を抱きしめてくれた。


何が何だかわからない俺は、暫く固まっていた。
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