Fragile~思い出に変わるまで〜
悲しそうな瞳で私にそう言った美咲はこの先に潜んでいる何かを……


言おうか言うまいか迷ってるように見えた。


「美咲?

……何か知ってるなら教えて?」


私は喉の奥に何かが詰まってるのを押し出すように、そう懇願する。


美咲はしばらく考えこんでいたけれど、意を決したように話しはじめた。


「こないだ健がその元カノと二人で会ってたって言ってた夜にね……?」


言いづらいのか、言葉が途切れる。


「私、ちょうど帰るとこだったんだけど、夜中だし人も全然通ってなくて……

そこにさ、タクシーがスーッと走ってきて、私のいる対面に停まったから、何気なく見たの

そしたら……カップルらしき二人が降りてきたんだけど……

男性の方が見たことあると思って、暗かったんだけどよく見たら……さ



……健……


だったのよ」


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