Fragile~思い出に変わるまで〜
最初はなんとなく朝はパンが食べたいなと思っていたけれど、いつの間にか朝は味噌汁がないとなんて思っている自分がいた。


半月前――


俺が荒んだ生活をしていた時に、来てくれたのはさとみではなく藤森だった。


俺はさとみだと勘違いしたまま、彼女を抱いてしまった。


それがわかったのは彼女の中にすべてを注いだ直後のこと。


髪を撫でながら唇を重ねようと顔を近づけたときだった。


暗闇に目が慣れてきたのか、自分の下に横たわる彼女の顔がぼんやりと見えた。


……さとみじゃない?


唇を噛みしめ、目尻からは涙がいく筋も流れてる。


……藤……森?


俺は愕然とした。


嫌がる彼女を無理矢理犯すようなことをしてしまったんだと、慌てて体を起こした。


謝らなきゃと思うのに、あまりのことに言葉が出てこない。


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