Fragile~思い出に変わるまで〜
「たける?いただきますは?」


隣に座るひなが、俺の顔を覗きこんで、いただきますを言うのを期待した目で見つめてる。


「あぁ、そうだったね?
忘れてたよ、ハハッ

いただきます」


手を合わせて大げさなくらい頭を下げると、ひなは満足そうに頷いて、自分の大根にフォークを突き立てた。


正直、二人が家に来てくれてから、安心して暮らせている自分がいた。


さとみがいない寂しさも、自分のふがいなさも、ひながいてくれることで一瞬でも忘れさせてくれる。


藤森もあれからは俺を気遣うように仕事をしながら、家事もがんばってくれていた。


俺もそんな藤森を少しでもサポートできればと育児やちょっとした家事も手伝うようになっている。


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