Fragile~思い出に変わるまで〜
「そっか、わかった……

もうすぐ帰れるから、もう少し一人で待ってられる?」


ひなは寂しいだろう思いを隠して、明るく答える。


「うん!だいじょうぶだよ?
たけるがかえってくるのをいいこでまってる」


そんな健気な言葉を聞いて、目頭が熱くなる。


急いで帰るからとひなに伝えて俺は電話を切った。


小さく息を吐き、怒りを鎮めるために深呼吸をする。


あやは、どこに行ったんだろう?


子供を一人きりで置いていくほどの用事なんだろうか?


この間の話し合いで、きちんとそのことは伝わったと思っていたのに……


もう一度携帯電話を取り出すと、見慣れた番号を発信させた。


トゥルルル…トゥルルル…トゥルルル…トゥルルル…トゥルルル…


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