Fragile~思い出に変わるまで〜
出ない……


――いったい、何をやってんだ!


何回コールしても出る気配のないあやに苛立ちながら、何度もかけ直してみる。


トゥルルル…トゥルルル…トゥルルル…トゥルルル…トゥルルル…カチャ


「……はい」


「あや?お前、何やってんの?
ひな一人で待たせて、どこ行ってんだよ!」


怒りを抑えられずに声を荒げると、あやは慌てたように答える。


「ち、違うの!友達が近くに来てて、お土産渡したいって言うからマンションの下まで降りてただけで……

ひなにも健が帰るまでには帰るからって言っておいたんだけど……」


そう言われて、出かけたわけじゃないんだとわかり少しだけ落ち着いた。


「ならすぐ戻るんだな?」


自分でも驚くほど低い声がでる。


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