Fragile~思い出に変わるまで〜
あまりにも恐縮する藤森に、昼から食べてないと口を滑らせたことに気がついた。


「いや、大丈夫!大丈夫!

いつものことだから
藤森のせいじゃないって」


慌てて手を振りながら、否定すると、藤森はまだ少し腑に落ちない様子で首を傾げた。


「それならいんだけど……
奥さんは?大丈夫なの?」


自分が呼び出してしまったことで負担をかけているんじゃないかと、いろいろ心配してくれているんだろう。


俺はなるべく軽い感じで、笑いかけながら言った。


「そっちも大丈夫

ちゃんとメールで遅くなるって言っといたから」


気にしないようにそう言ったつもりだったのに、藤森は少し寂しそうに笑った。


「そっか……やっぱり健は優しいね?
奥さんがうらやましいな……」


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