love song
「今日の発作は酷かったんですか?」
「ええ…最近段々発作の回数も増えてきたし…治まりも悪くなってきてるの」
おばさんは泣きそうに震えた声で答えてくれた。
「もうこのまま逝ってしまっ…」
「母、さん…勝手に…人を殺す、なよ」
おばさんと話していたら話し声で起きたらしく、雅人は酸素マスクをゆっくり取り冗談混じりに苦しいだろうに雅人なりの笑みで呟いた。
「雅人、気が付いたの?」
雅人はおばさんの言葉に小さく頷いた。
「…せ、りな…?」
「うん、来たよ。大丈夫?」
またもや雅人は私の言葉に小さく頷いた。
「し、ごと…は?」
「済ませてきたよ。新曲出来たんだ。だから、ご褒美に雅人に会いにきたの」
雅人は何故か穏やかな笑みで私の手を探るように手を伸ばしてきた。私はその手を握り笑みを返した。
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