彼女のattitude ～学園・非公認的恋愛～

「すいません。桐、渡してもらってもいいですか」

葵の言葉に、鳴子たちは顔を見合わせている。
わたしのことを見張っているから、とは、さすがに言いにくいんだろうか。
そんな二人を見て、葵は言う。

「俺が責任もって家まで連れて帰りますから。それでいいっすよね」

葵は、笑顔を浮かべて、視線は鳴子に留めたまま。
なんとなく、ここは任せておけっていう空気が伝わってくる。

その台詞。
葵、もしかしてーー。

「……うん、わかった。じゃあ、私たちはここで」

「ちょっと、メイ、いいの？大丈夫なの！？」

「任せちゃおうよ、早坂さんの家まで行くと、私たち遠回りになっちゃうし。……それじゃ、また明日ね」

鳴子は意外にあっさり引き下がり、クラスメイトはそれをしぶしぶ受け入れた。