彼女のattitude ~学園・非公認的恋愛~
「当分は、あたしとメイが家まで送る担当だから」

イヤだって言ったって、追いかけてくるんでしょ?

わたしはため息と同時に頷いた。
走れば、二人くらい簡単に撒けるんだろうけど、逃げ出す気力なんて、ない。

「桐、無視すんなって」

校門を出たところで声をかけられた。
昨日と似てる。
だけど、わたしの名前を呼んだのは。

「葵……」

葵はちらっとわたしを見て、すぐ鳴子のほうへ向き直る。

「こんにちは、日野先輩」

そう、愛想良く挨拶をした。

「あ、早坂くん……こんにちは」

鳴子は少し気まずそうに答える。

鳴子には、少し前に葵との関係――祖母の家に同居してるイトコだって話をしていた。
葵から聞いたけど、鳴子ってば人気あるらしいね?なんて茶化したら、全力で否定してたっけ。

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